夢日記
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執拗にお酒を薦められるが、頑なに断る。
飲みたいオレンジジュースがゼリーのように固まっていて、ストローを店員に頼むがなかなか来ない。繰り替えしお酒を薦める初老の男はいつの間にか泥酔し床に机の脚を抱え込むような体制でぐったりと倒れた。
ああ、丸くなって眠るうちのる子のようだなと思ったらその初老の男がそういえば猫だったことを思い出した。
ポケットから猫用のブラシを取り出して、いつの間にかやわらかい毛の生えた背広の猫に変わったその初老の男にブラシをかけた。
「大丈夫だからね。」となんども声をかけるが初老の男はスヤスヤと寝息を立てて起きる気配がない。
その酒場は、ラーメン屋とカレー屋の間にある細い隙間にあった。
両隣からそれぞれのにおいを含んだけむりが視界を白く白くしていく。
もう抱えられるくらいの猫になってしまったもと初老の男をしっかりと抱きかかえ白くなった世界にしゃがみ込むとなまぬるい風が水滴に変わり髪にべったりとついているのが分かった。
水滴は体の熱を奪っていった。煙がはれるともうそこは酒場ではなく両隣の店のごみ置き場になっていた。
抱いている元人間だったはずの生き物は、もう完全に猫になっていた。
事情を聴こうかと猫をゆすってみるが先ほどから全く目を覚まさない。
このままここにいれば猫になってしまうかもしれない。
いや、猫になりたいな。
と思ってスーッと眠りにつくころ目が覚めた。